2/13/2013

チョッコレイト


あまりに寒いので布団に入ったまま本を読んで昼迄ゴロゴロ過そうかと思ったけど
意を決して革ジャンを着てバイクを走らせた。

夏用に買ったパンチングレザーのグローブのせいで
めちゃくちゃ手だけが冷たくてたまらず護国神社を過ぎた
五毛あたりの喫茶店にはいり珈琲を注文すると
店主が「少し早いですが」と4個のチョッコレイトを添えてくれた。

そうか明日はバレンタインか。

それだけでなんも浮かばない。

バイクを眺めながらアラジンの石油ストーブと大きな振り子時計に囲まれて
こころもからだも暖かくなってきた頃

BGMでパッヘルベルの『カノン』が流れた。

またか!と思ったが前のように戸川純の『蝉の女』には
聴こえなかった。

ひと安心してゆっくりとジャズっぽくアレンジされた
カノンを聴き甘いオレンジピールの入ったチョッコレイトをいただいた。

誕生会


NIKU(2月9日)の日は
お世話になっているBARのマスターの誕生日だ。
モルジブの孤島から戻ったばかりのせいか炒ったアーモンドのように
こんがりと日焼けしてこの上ない満足そうな顔をしていた。

毎年毎年、年を重ねているうちに
振り返ると誕生日の持つ意味合いがその年代によって
違うもんだなとウイスキーを飲みながらふと思った。

両親と家族だけの誕生日。幼稚園でクラスメイトと。仲の良いお友達を呼んで家で。
下宿で友と語り。
また彼女と二人で。それからわいわい知り合い集めて乱痴気騒ぎ。

だけど50も近くなるともう騒ぐ遊ぶのレパートリーがなくなってきたという
理由もあるかもしれないが
なんにもしないでただおめでとうと祝いの言葉を
言い近況を報告しあい少し笑うことでいいんじゃないとなってくる。
面白いもんです。

世界中で毎日がだれかの誕生日。
毎日おめでとうだな。

おめでとう!


BARを出て久しぶりにシュガーパイの68年式キャデラック・デビルで街を駆け抜けると
神戸の街が一瞬にしてデトロイトウエスト・グランド通に変わった。
ドナルド・バードがトランペットを左脇にはさんで歩いていたりしてと思った。
それからその夜
  やっぱりとても奇妙な夢をみた。