あまりに寒いので布団に入ったまま本を読んで昼迄ゴロゴロ過そうかと思ったけど
意を決して革ジャンを着てバイクを走らせた。
夏用に買ったパンチングレザーのグローブのせいで
めちゃくちゃ手だけが冷たくてたまらず護国神社を過ぎた
五毛あたりの喫茶店にはいり珈琲を注文すると
店主が「少し早いですが」と4個のチョッコレイトを添えてくれた。
そうか明日はバレンタインか。
それだけでなんも浮かばない。
バイクを眺めながらアラジンの石油ストーブと大きな振り子時計に囲まれて
こころもからだも暖かくなってきた頃
BGMでパッヘルベルの『カノン』が流れた。
またか!と思ったが前のように戸川純の『蝉の女』には
聴こえなかった。
ひと安心してゆっくりとジャズっぽくアレンジされた
カノンを聴き甘いオレンジピールの入ったチョッコレイトをいただいた。