毎年1月9日になると思い出す。
30歳の12月20日に退職して不安と希望を胸に
抱きながら年を越し、とにかく生活する現金稼ぎに働いたのが
西宮えびす神社でのテキ屋のアルバイト。
俺は広島のヒバ牛のステーキ焼き担当。
牛の大腿をそのまま炭火で丸焼きにして
肉包丁で削ぎ落とすってやつです。
朝7時半から11時までの3日間。
1日1万2千円と大入り袋に千円。
せっかく稼いだ金だからもったいなくて、
寒い帰り道、熱燗飲みたいのを
我慢して電車に飛び乗ったのを思い出す。
サラリーマンを辞めてしまった事をここで
改めて実感したのが、このえべっさんだった。
あれから16年。
毎年俺に取ってえべっさんはいろんな意味で
気持ちをリセットさせてくれるそんな祭事なのです。